シンガポールとマレーシアの関係

シンガポールとマレーシアの関係

シンガポールとマレーシアの関係

マレーシアはマレー半島南部とボルネオ島のサバおよびサラワクからなる国。ジョホール海峡を挟み、北の対岸に位置する隣国です。

 

シンガポールとマレーシアはもともと1つの国でした。19世紀以来長いことイギリスの植民地だったシンガポールは、63年にマレーシア連邦の1州となったのです。

 

しかしマレー連邦政府によるマレー人優遇政策とそれに反発する中国系住民から、死傷者まで発生する人種暴動にまで発展。国内政治は荒れました。1965年連邦政府は中国系住民の中心地だったシンガポールの追放を決定し、両国は別々の道を歩むこととなったのです。

 

このような経緯があるため、シンガポールにとって、他のどの国よりマレーシアとの関係は深く、複雑といえます。

 

現在の関係

全貿易高の13%はマレーシアであり、経済的に最も重要な国といえます。独立直後は対立していましたが、時は経ち現在は協調の方向にシフトし、良好な関係を保っています。

 

シンガポール〜マレーシア間の交通

シンガポールとマレーシアの間は2つの陸路で繋がっています。1つはコーズウェイと呼ばれるおよそ1kmの橋(実際は埋め立てで建設された土手道)がまたがっており、このコーズウェイを通して鉄道・道路・水道がマレーシアと直結しています。もう1つは、コーズウェイだけでは年々増大する車両の往来に対応できなくなったので、新たにセカンドリンクと呼ばれるルートです。

 

2018年に行なわれたOAGの調査よれば、クアラルンプール-シンガポール線は、世界で最も便数が多い国際路線です。

 

マレーシアへの水依存

水源に乏しいシンガポールは水の供給をマレーシアに依存しています。コーズウェイの水道を通して、マレーシアから原水を購入し、自国の飲料水、工業用水、生活用水の大部分をまかなっています。

 

※水道管は3本あり、うち2本はマレーシアからの供給に、残り一本はシンガポールで浄化した水をマレーシアに送り返すのに使っています

 

生命線をマレーシアに握られているといえ、この水の依存はしばしば外交カードに使われ、シンガポールの政策決定を左右してきました。真の自立を得る為に、水の自給は建国以来の課題になっており、シンガポールはこの問題を解決しようと、貯水池を作る、海水の淡水化、下水を処理し飲料水に利用する技術の開発などで、自給率を上げています。

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