シンガポールの教育制度の特徴

シンガポールの教育制度の特徴

シンガポールの教育制度の特徴

シンガポールの教育システムは学校の種類も多く非常に複雑です。異なる言い方をすれば、個々人の能力や適正によって、様々な選択ができるよう環境が整えられています。またイギリス植民地時代の影響を強く受けています。

 

シンガポールというのは徹底した実力主義で、他のどの国よりも人材に投資することで成り上がった国です。資源も国土もない小国が生き残るために唯一残された道でした。そういった経緯があるので、この国の学業の世界は非常に競争が厳しいことで知られ、シンガポールは平均学力は常に世界トップレベルです。そんな環境で、学校教育だけで勝ち抜くのは難しいため、塾に通わせる親も多く、少なくない子供が非常に多忙な毎日を過ごしています。

 

教育課程

基本は、初等教育(Primary)6年、中等教育(Secondary)4〜5年、高等教育(Post Seondary)2〜3年という流れで、進むコースによって修了年限は異なります。学年度は二学期制。1学期は1月から5月まで。2学期は7月から11月までとなります。

 

初等教育(義務教育)

初等教育は義務教育化されています。義務教育は6歳から12歳までの6年間。9年間の日本より短いです。学費は無料で、通わせない親には罰則が課せられます。主な目的は言語教育と算数の習得になります。
この国では1966年以降バイリンガル教育が行なわれ、共通言語である英語と母語の二カ国語を習うこととなっています。様々な民族・人種の子供を一緒に教育を受けさせることで、複合民族国家で暮らす上で必要な多様性・平等性も培うのです。

 

小学校卒業試験

中学受験をしない限り、学区内の公立中学に自動的に進学することになる日本とは大きく異なります。シンガポールでは初等教育終了時に卒業試験PSLE (Primary School Leaving Examination)を受けなければならず、その成績によってExpress、Normal(Technical)、Normal(Academic)いずれかのコースに振り分けられます。合格率は98%で、ほとんどの子供は進学できますが、逆にいえば2%ほどの子供は進学でききていません。またNormalに振り分けられた子供は中学で卒業し、高校、大学へは進学しないケースが多いです。つまり小学校卒業時の成績で将来がかなり大きく左右されるのです。

 

※この子供の能力に応じて、進路を決定する制度をストリーミング制といい、1980年に導入が始まりました。この時の成績で将来の進路がだいたい決まってしまうともいわれています。しかし近年、初等教育時点の結果だけで、長期的な進路を決定してしまうことはいかがなものかという声が高まったため、この制度は2024年から段階的に廃止していくことを決定しています。今後はG1,G2,G3の3つのレベルに分け、科目別の教育を提供していく予定のようです。

 

中等教育

最も成績の良い子はExpressという最上位の4年制の中等教育コースに進むことになります。6割ほどの子供がExpressに進みます。中等教育を卒業したら、大学進学を目指す場合はPostSeconderyという大学進学のための準備コースに進みます。

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