シンガポールの言語紹介�Bマレー語

英語、中国語、タミル語、マレー語と４つも公用語が存在するシンガポールですが、この中で唯一国語に指定されているのはマレー語です。マレー語はマレー半島周辺地域に住む人々が用いる言語で、広くはマレーシア語やインドネシア語も含まれます。しかしマレー系住民以外は、日常生活でマレー語を使用することはほとんどありません。教育現場やビジネスの場で共通語として使われるのは圧倒的に英語です。シンガポールで最大の民族集団は中国語を母語とする中国系で、第一言語も英語であるにも関わらず、マレー語が国語になっているのは、もともとシンガポールがマレーシアの一部だった名残です。

 

マレー語を国語にした目的とは

シンガポールは、1965年に民族対立が原因となり、マレーシアから追い出される形で独立にいたった経緯があります。しかし天然資源が少ない小さな島国が生き残る為にはマレー語を母語とする周辺各国との調和が不可欠でした。シンガポール建国を主導したプラナカン（海峡華人）が英語とマレー語を母語としていたのも大きいでしょう。（初代首相リー・クアンユーもプラナカンでした）そのため、実用重視で英語を第一言語にしつつも、儀礼的にはマレー語を母語とし、国歌斉唱や軍隊の号令の際にはマレー語を使用するようにしているのです。