シンガポールの国花〜蘭が選ばれた理由とは?〜

シンガポールの国花〜蘭が選ばれた理由とは?〜

シンガポールの国花〜蘭が選ばれた理由とは?〜

シンガポールの国花は「バンダ・ミス・ジョアキム」と呼ばれるランの一種です。背の高い茎、薄紫の花弁、濃いピンクの唇弁といった姿が特徴的です。切手や1セント硬貨のデザインにも採用されており、来賓やVIPに対し、友好の印として送るのが慣習となっています。

 

バンダ・ミス・ジョアキムは、玄関口であるチャンギ空港を始めとして、町中どこでも確認できます。シンガポール植物園には「バンダ・ミスジョアキム・ガーデン」というランだけのエリアが設けられており、国の支援をうけ、ランの品種改良・研究が行なわれています。

 

ラン大国のシンガポール

シンガポールはラン大国としても知られ、世界中にラン切花を輸出しています。シンガポールにおけるランの切り花の生産量は、世界市場の15パーセントを占めるといわれています。

 

歴史

栽培の始まり

1819年、イギリス人のラッフルズ郷が、シンガポールに上陸した際には、まだ草木が生い茂っており、約200種もの原種のランが植生していたそうです。そして植物研究に熱心だったラッフルズと植物学者有志により、1859年にシンガポール植物園が開園され、ランの本格的な栽培が始まりました。

 

バンダ・ミス ジョアキムの誕生

1893年にはアグネス・ジョアキムの庭で、シンガポール初のランの交配種が誕生。ジョアキムさんの名をとって「バンダ・ミス ジョアキム」と名付けられました。

 

ゴールデン・シャワーの誕生

1928年になると植物園でエリック・ホルタム氏主導のもとランの繁殖計画が始まり、多くの交配種が誕生。とくに1939年のゴールデン・シャワーと呼ばれるランの交配に成功してから、ラン市場が活気づいていきました。

 

切り花産業の発展

1969年代以降、新しい繁殖法が発見され、シンガポールの切り花産業が発展。それまで一部の富裕層の趣味でしかなかったランが、一気に身近な存在となりました。

 

国花に制定

1981年になると、ランが国の重要産業になっていたこと、そしてバンダ・ミス ジョアキムがシンガポールの固有種であること、姿が美しいことなどから、シンガポールの国花に制定されました。

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