シンガポール地下鉄MRTの歴史
地下鉄はシンガポールにおいて最も重要な移動手段です。シンガポールの鉄道はマス・ラピッド・トランジット(大量高速輸送 Mass Rapid Transit:MRT)と呼ばれ、これは旅客の大量輸送を高速で行なう目的とした概念のことです。台湾やインドでも使われる呼称です。
管理
2020年現在、南北線、東西線、北東線、環状線、ダウンタウン線の5路線が運行。南北線・東西線・環状線をSMRTトレインズが、北東線とダウンタウン線をSBSトランジットが運営。陸上交通庁が全線を統括しています。
料金
シンガポールでは移民を中心に人口が増えていることもあり、混雑緩和措置として早期時間帯の運賃を無料にしています。
鉄道網
国内全土を網羅しており、シンガポールの玄関口チャンギ国際空港にも支線が乗り入れています。路線のほとんどは高架鉄道で、地下鉄は市街中心部のみを走ります。
システム
第三軌条と呼ばれる、道路脇のレールから電力を供給するシステムを採用しているため、線路の頭上に架線を走らす必要がありません。ホームには安全に配慮してスクリーンドアが設置されています。
歴史
1967年
将来的な需要を見越してリー・クアンユー首相肝いり計画が立案。(当時の主要交通機関だったバスの渋滞が問題になっていたため)コストの問題から反対意見も根強く、計画の実行は遅れた。
1983年
50億シンガポールドルが投入され、市街中心部の南北線から建設が開始され、段階的に建設が進められた。
1987年
・南北線が総延長6kmに達し、5つの駅が開業
・開業3週間で100万人もの乗客数を記録
1988年
MRTシステムの運行開始が正式にアナウンス
1990年
7月6日に予定より2年早く東西線が開業
規制
何かと規制が多いことで有名なシンガポールですが、インフラの中心といえる電車に関しては特に取り締まりが厳格です。例えば可燃性の液体や気体の持ち込み、喫煙、飲食などは厳罰の対象になっているので注意しましょう。